民法を学ぼう

債権の消滅・5

更改

第五百十三条

当事者が債務の要素を変更する契約をしたときは、その債務は、更改によって消滅する。

 条件付債務を無条件債務としたとき、無条件債務に条件を付したとき、又は債務の条件を変更したときは、いずれも債務の要素を変更したものとみなす。

要件

・旧債務が存在すること

・新債務が成立すること

・債務の要素を変更すること

※これに加え更改の意思が必要です。

債務者の交替による更改

 第五百十四条

 債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる。ただし、更改前の債務者の意思に反するときは、この限りでない。

債権者の交替による更改

第五百十五条

債権者の交替による更改は、確定日付のある証書によってしなければ、第三者に対抗することができない。

※新旧両債権と債務者の三者間で契約が必要です。(判例)

質権又は抵当権の移転

第五百十八条

更改の当事者は、更改前の債務の目的の限度において、その債務の担保として設定された質権又は抵当権を更改後の債務に移すことができる。ただし、第三者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない。

※根抵当権は移動できません。

免除

第五百十九条

債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。

※第三者の権利を害することはできません。

混同

第五百二十条

債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。

※判例では賃借人から土地を借りている転借人がその土地の所有権を取得しても、当事者間の合意がない限り、混同にて転借権は消滅しません。

 

 

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債権の消滅・4

相殺

第五百五条

二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。

 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。

相殺する側の債権を自働債権といい、相殺される側の債権を受動債権といいます。

※抵当不動産の第三取得者が抵当権者に有する債権では相殺できません。(判例)

相殺の方法及び効力

第五百六条  相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。

 前項の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。

時効により消滅した債権を自働債権とする相殺

第五百八条

時効によって消滅した債権がその消滅以前に相殺に適するようになっていた場合には、その債権者は、相殺をすることができる。

※時効完成後に時効により消滅した債権を譲り受けても相殺できません。(最判S36.4.14)

相殺ができない債権

・債権自体の性質による禁止

現実に履行されなければ目的を達成できないもの(「なす債務」)

・自働債権に抗弁権が付着している債権

同時履行の抗弁権が付着している債権や催告・検索の抗弁権の付着する保証契約上の債権(判例)

・当事者の合意による禁止

善意の第三者には対抗できません。(505条2項)

法律で禁止されている場合

不法行為により生じた債権を受働債権とする相殺の禁止

五百九条

債務が不法行為によって生じたときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。

※不法行為債権を自働債権とする相殺は認められます。(最判S42.11.30)

自働債権、受働債権が別個の原因に基づく不法行為債権である場合は相殺できません。(判例)

差押禁止債権を受働債権とする相殺の禁止

第五百十条

債権が差押えを禁じたものであるときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。

支払の差止めを受けた債権を受働債権とする相殺の禁止

第五百十一条

支払の差止めを受けた第三債務者は、その後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができない。

※差押前に債権を取得していた場合は相殺できます。(最判S45.6.242)

ただし債権を差し押えれた側から相殺はできません。

 

 

 

 

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債権の消滅 3

弁済受領権者

受領権限のない者に弁済した場合

第四百七十八条

債権の準占有者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。

※債権の準占有者とは、取引観念上債権者らしい外観を有するものです。

真の債権者は債権の準占有者に対して、不当利得による返還請求権又は不法行為による損害賠償請求権を行使できます。

第四百七十九条

前条の場合を除き、弁済を受領する権限を有しない者に対してした弁済は、債権者がこれによって利益を受けた限度においてのみ、その効力を有する。

受取証書の持参人に対する弁済

第四百八十条

受取証書の持参人は、弁済を受領する権限があるものとみなす。ただし、弁済をした者がその権限がないことを知っていたとき、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

※受取証書は真正なものでなければならず、偽造されたものは無効です。

債権者に受領権限がない場合

債権の差押

第四百八十一条

支払の差止めを受けた第三債務者が自己の債権者に弁済をしたときは、差押債権者は、その受けた損害の限度において更に弁済をすべき旨を第三債務者に請求することができる。

 前項の規定は、第三債務者からその債権者に対する求償権の行使を妨げない。

※債権者が破産手続開始決定を受けたときは、破産管財人に対して弁済しなければなりません。

弁済受領者義務

受取証書の交付

第四百八十六条

弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書の交付を請求することができる。

※弁済と受取証書の交付は同時履行の関係にあります。(判例)

 

弁済の充当

第四百八十八条

債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担する場合において、弁済として提供した給付がすべての債務を消滅させるのに足りないときは、弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。

 弁済をする者が前項の規定による指定をしないときは、弁済を受領する者は、その受領の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。ただし、弁済をする者がその充当に対して直ちに異議を述べたときは、この限りでない。

 前二項の場合における弁済の充当の指定は、相手方に対する意思表示によってする。

法定充当

第四百八十九条

弁済をする者及び弁済を受領する者がいずれも前条の規定による弁済の充当の指定をしないときは、次の各号の定めるところに従い、その弁済を充当する。

 債務の中に弁済期にあるものと弁済期にないものとがあるときは、弁済期にあるものに先に充当する。

 すべての債務が弁済期にあるとき、又は弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に充当する。

 債務者のために弁済の利益が相等しいときは、弁済期が先に到来したもの又は先に到来すべきものに先に充当する。

 前二号に掲げる事項が相等しい債務の弁済は、各債務の額に応じて充当する。

 

代物弁済

第四百八十二条

債務者が、債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。

本来の給付と同価値である必要はなく、給付の種類に制限もありません。

不動産の場合は対抗要件を具備(登記)をしなければ、代物弁済の効力は発生しません。(判例)

 

 

 

 

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債権の消滅 2

弁済による代位

第四百九十九条

債務者のために弁済をした者は、その弁済と同時に債権者の承諾を得て、債権者に代位することができる。

 第四百六十七条の規定は、前項の場合について準用する。

※代位と債権譲渡は似ますので第四百六十七条規定が準用されます。

法定代位

第五百条

弁済をするについて正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位する。

正当な利益を有する者

・自ら債務を負っていないが、債務者の意思に反しても弁済できる利害関係を有する第三者

物上保証人・抵当不動産の第三取得者・後順位担保権者等

・自ら債務を負っているが、債務者との関係では実質上他人の債務の弁済となる者

保証人・連帯保証人・不可分債務者等

※債権者の承諾はいりません。

任意代位

正当な利益を有しない者です。債権者の承諾が必要になります。(499条1項)

効果

第五百一条

前二条の規定により債権者に代位した者は、自己の権利に基づいて求償をすることができる範囲内において、債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる。この場合においては、次の各号の定めるところに従わなければならない。

 保証人は、あらかじめ先取特権、不動産質権又は抵当権の登記にその代位を付記しなければ、その先取特権、不動産質権又は抵当権の目的である不動産の第三取得者に対して債権者に代位することができない。
 第三取得者は、保証人に対して債権者に代位しない。
 第三取得者の一人は、各不動産の価格に応じて、他の第三取得者に対して債権者に代位する。
四  物上保証人の一人は、各財産の価格に応じて、他の物上保証人に対して債権者に代位する。
 保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する。ただし、物上保証人が数人あるときは、保証人の負担部分を除いた残額について、各財産の価格に応じて、債権者に代位する。

 前号の場合において、その財産が不動産であるときは、第一号の規定を準用する。

第五百二条

債権の一部について代位弁済があったときは、代位者は、その弁済をした価額に応じて、債権者とともにその権利を行使する。

 前項の場合において、債務の不履行による契約の解除は、債権者のみがすることができる。この場合においては、代位者に対し、その弁済をした価額及びその利息を償還しなければならない。

※一部弁済において、抵当権付の場合には債権及び抵当権は原債権者と代位者との準共有になります。

代位者相互間の効果

保証人が複数いる場合

共同保証人が分別の利益を有する場合とそうでない場合とで異なります。

物上保証人が複数の場合

不動産の価格の割合です。(501条4項)

保証人と物上保証人がいる場合

501条5項 保証人と物上保証人との間においては、その数に応じて、債権者に代位する。ただし、物上保証人が数人あるときは、保証人の負担部分を除いた残額について、各財産の価格に応じて、債権者に代位する。

保証人・抵当不動産の第三取得者間

501条1項 保証人は、あらかじめ先取特権、不動産質権又は抵当権の登記にその代位を付記しなければ、その先取特権、不動産質権又は抵当権の目的である不動産の第三取得者に対して債権者に代位することができない。

※第三取得者出現後に保証人が弁済した場合は、代位の付記登記は不要です。(最判S41.11.18)

代位者・債権者間の効果

第五百三条  代位弁済によって全部の弁済を受けた債権者は、債権に関する証書及び自己の占有する担保物を代位者に交付しなければならない。

 債権の一部について代位弁済があった場合には、債権者は、債権に関する証書にその代位を記入し、かつ、自己の占有する担保物の保存を代位者に監督させなければならない。

第五百四条  第五百条の規定により代位をすることができる者がある場合において、債権者が故意又は過失によってその担保を喪失し、又は減少させたときは、その代位をすることができる者は、その喪失又は減少によって償還を受けることができなくなった限度において、その責任を免れる。

 

 

 

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債権の消滅

消滅原因の法律的性質

法律行為

・債権者の行為→免除

・債務者の行為→相殺・供託

・債権者・債務者の行為→代物弁済、更改

準法律行為

・弁済

事件

・混同、債務者の帰責事由によらない履行不能

 

弁済の提供

要件

第四百九十三条

弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。

特定物債権

第四百八十三条

債権の目的が特定物の引渡しであるときは、弁済をする者は、その引渡しをすべき時の現状でその物を引き渡さなければならない。

※履行期までに特定物が壊れていても引き渡しを行えばそれで足ります。

種類債権

第四百一条

債権の目的物を種類のみで指定した場合において、法律行為の性質又は当事者の意思によってその品質を定めることができないときは、債務者は、中等の品質を有する物を給付しなければならない。

他人の物を引き渡した場合

第四百七十五条

弁済をした者が弁済として他人の物を引き渡したときは、その弁済をした者は、更に有効な弁済をしなければ、その物を取り戻すことができない。

※弁済をされたものが即時取得の要件を満たす場合は、有効な弁済となります。

第四百七十七条

前二条の場合において、債権者が弁済として受領した物を善意で消費し、又は譲り渡したときは、その弁済は、有効とする。この場合において、債権者が第三者から賠償の請求を受けたときは、弁済をした者に対して求償をすることを妨げない。

譲渡能力のない者よる引渡

第四百七十六条

譲渡につき行為能力の制限を受けた所有者が弁済として物の引渡しをした場合において、その弁済を取り消したときは、その所有者は、更に有効な弁済をしなければ、その物を取り戻すことができない。

弁済の場所・時期・費用

弁済の場所

第四百八十四条

弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。

弁済の時期

第四百十二条

債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。

 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来したことを知った時から遅滞の責任を負う。

 債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。

弁済の費用

第四百八十五条

弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。

方法

現実の提供

債権者の協力がなくても、債務者自身で給付の主要な部分を完了すること。

口頭の提供

債権者があらかじめ受領を拒絶してる場合

債務者が弁済の準備を行うことにより債務履行を逃れます。(催告します。)

債務の履行につき債権者の行為が必要な場合

弁済の準備をしたうえで、債権者に通知します。

口頭の提供すら不要な場合

債権者の受領拒絶の意思が明確なとき(最大判S32.6.5)

効果

第四百九十二条

債務者は、弁済の提供の時から、債務の不履行によって生ずべき一切の責任を免れる

 

 

 

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債権譲渡・3

債務者の抗弁

第四百六十八条

債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し、譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。

※譲受人は善意である必要があります。

保証人は復活しません。(大判S15.10.9)

抵当権は利害関係のある第三者がある場合は復活しません。(債務者所有のものである場合は復活します。)

 譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるときは、債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。

・譲渡債権が不正立・無効

・取消・解除により譲渡債権が消滅

・弁済等によって譲渡債権の全部又は一部が消滅

・同時履行の抗弁権をもって対抗できる

・譲渡人に対し有する反対債権のもって対抗(相殺)

 

債権譲渡登記

特例法に基づいて譲渡人が法人の場合のみできます。

対抗要件

動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律

第四条  法人が債権(指名債権であって金銭の支払を目的とするものに限る。以下同じ。)を譲渡した場合において、当該債権の譲渡につき債権譲渡登記ファイルに譲渡の登記がされたときは、当該債権の債務者以外の第三者については、民法第四百六十七条 の規定による確定日付のある証書による通知があったものとみなす。この場合においては、当該登記の日付をもって確定日付とする。

 前項に規定する登記(以下「債権譲渡登記」という。)がされた場合において、当該債権の譲渡及びその譲渡につき債権譲渡登記がされたことについて、譲渡人若しくは譲受人が当該債権の債務者に第十一条第二項に規定する登記事項証明書を交付して通知をし、又は当該債務者が承諾をしたときは、当該債務者についても、前項と同様とする。

 前項の場合においては、民法第四百六十八条第二項 の規定は、前項に規定する通知がされたときに限り適用する。この場合においては、当該債権の債務者は、同項に規定する通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由を譲受人に対抗することができる。

 前三項の規定は、当該債権の譲渡に係る第十条第一項第二号に掲げる事由に基づいてされた債権譲渡登記の抹消登記について準用する。この場合において、前項中「譲渡人」とあるのは「譲受人」と、「譲受人」とあるのは「譲渡人」と読み替えるものとする

※民法497条の対抗要件と動産・債権譲渡特例法の対抗要件が競合した場合、対抗要件を備えらえたときの先後で決まります。

 

 

 

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債権譲渡・2

指名債権譲渡の対抗要件

債務者への通知又は債務者の承諾です。

第四百六十七条

指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。

 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

債務者による対抗要件

対抗要件が成立するまでは譲渡人への弁済は有効であり、譲受人に対しては弁済を拒否できます。

通知

通知は必ず譲渡人からしなければならず、譲受人が代位を出来ません。(判例)

※譲受人は譲渡人に通知をするように請求はできます。

通知が譲渡後にされたときは、通知したときから対抗力が生じます。

承諾

譲渡人に譲受人いずれに対してもでき、譲渡前の承諾も有効です。(最判S28.5.29.)

債権の二重譲渡

・確定日付のある通知は、確定日付のない通知に優先します。

※確定日付のある通知が後に届いたとしてもです。(大連判T8.3.28)

ただし、すでに債務者が弁済した後(確定日付のない通知)では確定日付のある通知で譲渡されたとしても債権自体を取得できません。(大判S7.12.6)

・双方に確定日付のある通知

到着の先後になります。(先に到達した方が有効です。)(最判S49.3.7)

※片方が差し押さえ命令の場合も同様です。(最判S58.10.4)

・双方が確定日付のない通知

債務者はどちらの請求も拒め、どちらに弁済しても効力を発揮します。(大判T8.8.25)

・双方が確定日付のある通知が同時に到達

債務者はどちらからの請求も拒めませんが、片方に弁済すれば債務を逃れます。

※到達の先後が不透明な場合は同時到達として扱います。(最判H5.3.30)

 

 

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債権譲渡

第四百六十六条

債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。

 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。

※債権譲渡は、譲渡人と譲受人の合意のみで効力を生じます。債権譲渡が行われると、債権は同一性を維持したまま譲受人に移転します。

将来発生する債権であっても、債権発生の可能性を要件とせず、期間の始期と終期を明確にすることによって債権が特定されてる場合は譲渡できます。(最判H11.1.29)

譲渡禁止特約違反の効果

基本的には無効ですが(通説・判例)ただし、善意の第三者には対抗できません。

また、悪意の譲受人からさらに債権を善意の譲受人に譲渡した場合は有効になります。(大判S13.5.14)

譲受人は善意であればいいのですが、重過失がある場合は債権を取得できません。(最判S48.7.19)

譲渡禁止特約納付債権の差押

差押は可能であり、善意・悪意を問いません。(最判S45・4.10)

譲渡禁止特約納付債権の譲渡に対する債務者の承諾

譲受人が悪意であっても債務者が承諾したときには有効になります。この譲渡は譲渡のときにさかのぼって有効になります。(最判S52.3.17)

 

 

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多数当事者の債権・債務関係・5

根保証

賃金等根保証契約

第四百六十五条の二

一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以下「根保証契約」という。)であってその債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務(以下「貸金等債務」という。)が含まれるもの(保証人が法人であるものを除く。以下「貸金等根保証契約」という。)の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う。

 貸金等根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。

 第四百四十六条第二項及び第三項の規定は、貸金等根保証契約における第一項に規定する極度額の定めについて準用する。

元本確定期日の定め

第四百六十五条の三  貸金等根保証契約において主たる債務の元本の確定すべき期日(以下「元本確定期日」という。)の定めがある場合において、その元本確定期日がその貸金等根保証契約の締結の日から五年を経過する日より後の日と定められているときは、その元本確定期日の定めは、その効力を生じない。

 貸金等根保証契約において元本確定期日の定めがない場合(前項の規定により元本確定期日の定めがその効力を生じない場合を含む。)には、その元本確定期日は、その貸金等根保証契約の締結の日から三年を経過する日とする。

 貸金等根保証契約における元本確定期日の変更をする場合において、変更後の元本確定期日がその変更をした日から五年を経過する日より後の日となるときは、その元本確定期日の変更は、その効力を生じない。ただし、元本確定期日の前二箇月以内に元本確定期日の変更をする場合において、変更後の元本確定期日が変更前の元本確定期日から五年以内の日となるときは、この限りでない。

 第四百四十六条第二項及び第三項の規定は、貸金等根保証契約における元本確定期日の定め及びその変更(その貸金等根保証契約の締結の日から三年以内の日を元本確定期日とする旨の定め及び元本確定期日より前の日を変更後の元本確定期日とする変更を除く。)について準用する。

元本確定事由

第四百六十五条の四  次に掲げる場合には、貸金等根保証契約における主たる債務の元本は、確定する。

 債権者が、主たる債務者又は保証人の財産について、金銭の支払を目的とする債権についての強制執行又は担保権の実行を申し立てたとき。ただし、強制執行又は担保権の実行の手続の開始があったときに限る。

 主たる債務者又は保証人が破産手続開始の決定を受けたとき。

 主たる債務者又は保証人が死亡したとき。

保証人が法人である貸金等債務の根保証契約の求償権

第四百六十五条の五

保証人が法人である根保証契約であってその主たる債務の範囲に貸金等債務が含まれるものにおいて、第四百六十五条の二第一項に規定する極度額の定めがないとき、元本確定期日の定めがないとき、又は元本確定期日の定め若しくはその変更が第四百六十五条の三第一項若しくは第三項の規定を適用するとすればその効力を生じないものであるときは、その根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権についての保証契約(保証人が法人であるものを除く。)は、その効力を生じない。

 

 

 

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多数当事者の債権・債務関係・4

保証人の求償権

委託を受けた保証人

第四百五十九条

保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受け、又は主たる債務者に代わって弁済をし、その他自己の財産をもって債務を消滅させるべき行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対して求償権を有する。

 第四百四十二条第二項の規定は、前項の場合について準用する。

事前求償権

委託を受けた保証人の事前求償権

第四百六十条

保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、次に掲げるときは、主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる。

 主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ、債権者がその破産財団の配当に加入しないとき。

 債務が弁済期にあるとき。ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗することができない。

 債務の弁済期が不確定で、かつ、その最長期をも確定することができない場合において、保証契約の後十年を経過したとき。

事前求償権を行使された債務者の保護

第四百六十一条

前二条の規定により主たる債務者が保証人に対して償還をする場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、主たる債務者は、保証人に担保を供させ、又は保証人に対して自己に免責を得させることを請求することができる。

 前項に規定する場合において、主たる債務者は、供託をし、担保を供し、又は保証人に免責を得させて、その償還の義務を免れることができる。

※物上保証人に事前求償権は認められません。(最判H2.12.18)

委託を受けない保証人

第四百六十二条

主たる債務者の委託を受けないで保証をした者が弁済をし、その他自己の財産をもって主たる債務者にその債務を免れさせたときは、主たる債務者は、その当時利益を受けた限度において償還をしなければならない。

 主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。この場合において、主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。

※利息や損害賠償は請求できません。

保証人の通知義務

第四百六十三条

第四百四十三条の規定は、保証人について準用する。

 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、善意で弁済をし、その他自己の財産をもって債務を消滅させるべき行為をしたときは、第四百四十三条の規定は、主たる債務者についても準用する。

※保証人から債務者への通知、債務者から委託を受けた保証人への通知が必要です。

連帯債務・不可分債務の求償権

第四百六十四条

連帯債務者又は不可分債務者の一人のために保証をした者は、他の債務者に対し、その負担部分のみについて求償権を有する。

共同保証

共同保証とは同一の主たる債務について数人の保証人がある場合です。以下のパターンがあります。

・普通の保証人が数人いる場合。

・連帯保証人が数人いる場合。

・複数の普通保証人間に連帯関係がある場合。(保障連帯)

※保障連帯とは普通の保証人から分別の利益を放棄したものです。

第四百六十五条

第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。

 第四百六十二条の規定は、前項に規定する場合を除き、互いに連帯しない保証人の一人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。

 

 

 

 

 

 

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