家族法

変わりゆく、家族法


実の親不同意でも、特別養子縁組

 

血の繋がりのない女児を7年間育ててきた50代の夫婦が、

法律上も実の親子関係を結ぶ特別養子縁組を求めた家事裁判で地裁は、

「子供の福祉のため」と縁組を認めた。

これは、極めて異例な事である。

 

特別養子縁組とは通常の養子縁組と異なり、

血縁関係のない大人が実親として迎える制度であり、戸籍上も親となる。

基本的には特別養子縁組を行う場合は、実親の同意が必要であり、

虐待などの行為がない中での決定は異例である。

 

審判で実親は

「親子の縁は切りたくない」と主張したが、

裁判官は

「実の親は女児との交流や経済的支援はなく、夫婦に任せきりだった。

子供の利益を著しく害する状況で、

新たな親子関係を築くことが、子供の福祉のため」

と指摘した。

 

夫婦の弁護士は

「虐待がない場合でも。子供の利益を最優先する判断は珍しく、画期的だ。

今後は子の利益を重視する考え方が一般的になっていくのではないか」

と話した。

 

時代とともに変わっていく

 

非嫡出子に相続財産は嫡出子と同じだけ認められる判決が出たのは、記憶に新しい。

このように、時代とともに家族の在り方も変わっていく。

現状は、法律婚と事実婚では、国から受けられ援助も大分違うが、

これも民法上変わる動きがある。

 

婚姻の破綻条件も変わっていく

 

このように家族法が変わっていく中、婚姻の破綻条件も変わりつつある。

現在、民法に規定は一切ないが、婚姻費用を払い、

3年間別居状態であれば、婚姻は破綻していると認められやすい。

(あくまで判例なので諸事情で変わることがある。)

これを、民法改正では2年間とする動きもある。

そして、有責配偶者(婚姻関係の破綻原因を作った方・浮気・不倫を犯した方)

からの離婚請求は現状の民法上認められていないが、

これも、一定期間(約5年)で婚姻の破綻として認められる傾向になりつつある。

 

次の民法改正はでこのあたりの条文も盛り込まれそうだ。