債権・3
債権者代位権
債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。
2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。
※上記の成立要件は債務者が自らその権利を行使しないときにできます。
被保全債権は原則として金銭債権である必要があり、債務者が無資力であることが必要です。
対象となる権利
判例で認められたものは、(金銭債権以外)
・移転登記請求権
・抹消登記請求権
・妨害排除請求権
・債務の消滅時効の援用、などです。
・形成権(取消権・解除権・買戻権など)
・代位権
・第三者による錯誤無効の主張(表意者が錯誤無効を認めている場合)(最判S45.3.26.)
対象者とならないもの
・一身専属権(離婚請求権、認知請求権、夫婦間の契約取消消権、離婚による財産分与請求権、遺留分減殺請求権、慰謝料請求権など)
・権利行使を債務者の意思のみにゆだねるのが妥当なもの
・差押を許さない権利
行使方法
債権者が自己の名で行使し、裁判上、裁判外でも行使できます。
相手方の地位
すべての抗弁が主張できます。(相殺の抗弁・同時履行の抗弁権・権利の消滅の抗弁など)
範囲
債権の保全に必要な範囲までです。
請求内容
物の引渡を求める場合には、直接自己への引渡を請求できます。
債務者による処分の禁止
裁判上の代位について債権者が債権者代位権の行使の着手を債務者に伝えたときは、債務者による権利の処分が禁止されます。(非訟事件手続法88条3項)
※裁判外にも類推適用されます。
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