契約の解除・2

解除の効果

第五百四十五条  当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。

 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。

 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。

法的性質

直接効果説(判例・通説)

遡及的に消滅し、未履行の債務は当然に消滅し、既履行の債務は不当利得に該当し返還義務を生じます。

※通常の不当利得の現存利得より範囲は拡大され原状回復になっています。

原状回復義務の範囲

現物回復出来ないものは価格(金銭)を返還する義務を負い、代替可能なものは、同種・同量・同等なものを返還することになります。

使用利益も返還義務を負います。(最判S34.9.22)

債務の保証人は、原状回復義務についても責任を負います。(最判S40.6.30)

 

解除権の消滅

催告による解除権の消滅

第五百四十七条  解除権の行使について期間の定めがないときは、相手方は、解除権を有する者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に解除をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は、消滅する。

解除権者の行為等による解除権の消滅

第五百四十八条  解除権を有する者が自己の行為若しくは過失によって契約の目的物を著しく損傷し、若しくは返還することができなくなったとき、又は加工若しくは改造によってこれを他の種類の物に変えたときは、解除権は、消滅する。

 契約の目的物が解除権を有する者の行為又は過失によらないで滅失し、又は損傷したときは、解除権は、消滅しない。

その他の消滅事項

・解除権行使前の相手方の債務の履行

・解除権の放棄

・解除権の消滅時効(10年)(最判S56.6.16)

 

 

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